Skyward the Spirit, Earthbound the soul  魂は空に 魄は地に
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ame003
7th Jul. 2001
P case/ including Kazuya Nagaya`s Poetry and Essays
Artwork by Kowji Miyabe
Photography by Minoru Ichige, "Nachi Waterfall in Kumano "

 
 
 

2001年発売の長屋和哉3枚めのソロアルバム。
チベット密教の仏具シンギングボウルや日本の仏具おりんのレコーディングをふんだんに行い、これまで2枚のアルバム以上に静かで、瞑想的な作品に仕上がっている。
長屋和哉のアルバムを瞑想やヨガに使うリスナーは多いが、とりわけこのアルバムと『うつほ』を使う方は多い。
映画『地球交響曲』監督、龍村仁氏の推薦コメントを収録。他、長屋和哉自身の詩とエッセイが数編、併録されている。

 
 
 

Skyward the Spirit, Earthbound the Soul by Kazuya Nagaya

この言葉は、人の死ののちの魂の行方を語ったものである。
魂の行方。私たちはどこから来て、どこへ往くのか。
この問いかけの「どこ」はおそらく世界の外側にあり、
名すら付けられない広大な神秘の領域のことを指し示している。
その領域において、私たちはこの肉体と、この精神と、この名から、
解き放たれ、ほぐれ、虹のような光の粒となって霧散するのだ。
私には、この霧散へのあこがれが記憶にならないくらい以前からあった。
そして、吉野、東京、八ヶ岳と移動を繰り返しながら、
アルバムの制作を続けているあいだも、
私はずっとこのあこがれと共に在った。

「魂は空に 魄は地に」
呪文のようにそう呟く時、
私のあこがれは一瞬、寄る辺を得たように満ち足りて、
哀切で、そして穏やかだった。
空虚で、茫漠としていて、しかし静かな歓喜が確かにそこにあった。
「魂は空に 魄は地に」
吉野の山で、天蓋のような虹が夏の遥かな空にかかるのをあおぎ見ながら、
そして、八ヶ岳で無限の雪片が天から降ってくる光景を、
まるで天そのものが降ってくるように眺めながら、この言葉を呟いてみた。
音を作る時も、やはりこの言葉は私と一緒だった。
アルバム『魂は空に 魄は地に』は、文字通りこの言葉とともに作られたのだ。
私のあこがれと、私の空虚と、私の歓喜をそこに内包して。
抱きかかえて。
天が降ってくるのを眺めながら。